2008年10月3日金曜日

平成19年度【問 1】

【問 1】 正解 3
A所有の甲土地についてのAB間の売買契約に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。○

1 Aは甲土地を「1,000万円で売却する」という意思表示を行ったが当該意思表示はAの真意ではなく,Bもその旨を知っていた。この場合,Bが「1,000万円で購入する」という意思表示をすれば,AB間の売買契約は有効に成立する。×

心裡留保による意思表示は有効であり、相手方が悪意、過失のときは無効。善意の第三者に対抗できない。

2 AB間の売買契約が,AとBとで意を通じた仮装のものであったとしても,Aの売買契約の動機が債権者からの差押えを逃れるというものであることをBが知っていた場合には,AB間の売買契約は有効に成立する。×

通謀虚偽表示は心裡留保による意思表示は有効であり、相手方が悪意、過失のときは無効。善意の第三者に対抗できない。

3 Aが第三者Cの強迫によりBとの間で売買契約を締結した場合,Bがその強迫の事実を知っていたかにかかわらず,AはAB間の売買契約に関する意思表示を取り消すことができる。○

強迫による意思表示は取り消すことができる。相手方の善意・悪意を問わず対抗できる。

4 AB間の売買契約が,Aが泥酔して意思無能力である間になされたものである場合,Aは,酔いから覚めて売買契約を追認するまではいつでも売買契約を取り消すことができ,追認を拒絶すれば,その時点から売買契約は無効となる。×

意思無能力者が締結した契約は無効である。







意思表示と善意の第三者


善意の
第三者に対抗
詐欺 取消 ×
強迫 取消 ○
錯誤 無効 ○
虚偽表示 無効 ×
心裡留保 善意無過失      有効 ×
悪意過失 無効 ×
行為能力 取消 ○
公序良俗 無効 ○
債務不履行 解除権 善悪関係なし